スタッフN村による着物コラム

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長いこと茶道をやっている従兄弟の嫁さん(以下、義従姉妹)から、

着物のコーディネイトで悩んでいると相談がありました。

ほとんど木綿着物専門(笑)の私ですが、おこがましくもありったけの帯締帯揚を持って乗り込みました。

さすがに二人分の小物を合わせるとコーデの幅がぐんと広がり、年内のお茶会ぶんのコーデが完了。

お礼にと義従姉妹がなんちゃってお茶席を設けてくれました。

無論まったくの門外漢の私は、

彼女の指示するがままにお菓子をいただき、お茶碗を受け取ったり回したりぬぐったり。

そこで気が付きましたが、私は左利きなので、

すべての動作をつい左手でやろうとして、懐紙すら思うように扱えない。

左利きに茶道はハードルが高いことを、この年にして初めて知りました(笑)。

着物は川越唐桟、帯はリサイクルショップで買った八寸を半幅に直したもの。

着物もなんちゃってです。

 

120.島津亜矢を知っていますか

島津亜矢という歌手をご存知でしょうか。

演歌の中堅どころという位置づけで、紅白歌合戦にも何回か出演しています。

この人が今、私と姉と友人夫妻の間で怒涛のマイ(アワー?)ブーム中。

きっかけは、友人夫婦の車で両国国技館へ出かけた時のこと。

カーステレオから島津亜矢のヒット曲『帰らんちゃよか』が流れてきたのです。

へえ、島津亜矢なんか聴くんだと思わず反応した私。

都会に出た子供を思い、帰らんちゃよか、

親のためにお前の生き方変えんでよか、という父親の心情を熊本弁で歌い上げる名曲です。

聞けば、長崎出身のダンナさんにとって、九州人の魂の歌なんだそう。

私も演歌が好きだった父と一緒に聴いていて、名曲だと思うし、

何よりこの人の歌唱力は日本一だと思っていたので、すっかり意気投合。

自慢じゃないが我が家には、父が買った島津亜矢名曲集5枚組CDがあり、

出演する歌番組は必ずチェックしていたものです。

三波春夫や村田英雄の歌謡浪曲はそのへんの男性歌手など蹴散らす迫力で、北島三郎を歌えばこれまた絶品。

それでいて森山直太朗の『さくら(独唱)』や、

果てはホイットニー・ヒューストンの『I Will Always Love You』まで歌いこなす。

そうした活動が最近演歌界以外でも注目されて、

アニソンの大会に出たり、清塚信也や葉加瀬太郎なんかとコラボもしているみたい。

若者の間では何でも歌いこなすその幅広さから「歌怪獣」とのニックネームを献上されているとか。

実際、このドライブのしばらく後に、

清塚信也のクラシック番組に演歌ディーバとして出演、『I Will Always Love You』を歌ってるのを聴きました。

こりゃあなんとしてもライブで聴いてみたいねえと話していたところ、

なんと隣町の飯能市民会館に「歌怪獣ツアー」が来るというじゃないの。

チケット発売からちょっと時間が経っていましたが、すんなり確保できたので、お客が入らないのかといささか心配に(笑)。

いざ当日行ってみると、会場は大賑わい駐車場はいっぱいで、老老(笑)男女でごったがえしてました。

席は後ろ寄りの上手はしっこで、まあ、歌聴くんだからこんなもんでいいよねと席につきましたが、

実はかえってこれが正解だったんです。

舞台にほとんど装飾もなく、バンドもギター、ベース、ドラムにキーボードとあと何かあったかな、というシンプルさ。

司会者もおらず、普通のポップスのコンサートのようなしつらえで、ご本人登場、赤い小振袖が妙に可愛い52歳。

MCも自らで、最近の若い方の歌は覚えるのが大変です、と言いつつ、のっけから髭ダンやらYOASOBIやらMISIAやら。

その圧倒的な声量と歌唱力で、受ける圧がすごい! 座席の背もたれに貼り付けられたようになって口はあんぐり。

演歌の合間に何曲かポップスを挟むくらいだろうと思っていたら、どうやら前半はポップスで突っ走るらしい。

MISIAならまだわかるがYOASOBIだと!? 周囲の爺さん婆さんは目を白黒させているんじゃないかと心配になります。

でまた、ハンドマイクをほぼ帯の位置に構え、それでもこの声量、最前列にいたらハウリング起こしそうです。

もちろんホイットニーの『I Will Always Love You』や『Saving All My Love For You』もしっとりと聴かせ、

ほぼ歌いっぱなしの45分。

あっけにとられた第一部が終了し、

さっそく休憩時間にロビーで販売しているポップスだけの「Singer」というシリーズのCDを購入。

八枚ほどある中から、『Saving All My Love For You』や『The Rose』が入ってるのを選びました

第二部は黒地の着物に着替えて登場。第一部で度肝を抜かれた爺さん婆さんを癒やす演歌のオンパレード。

恩師の作詞家・星野哲郎の遺作や、待ってました『帰らんちゃよか』!。もうね、ぼろぼろ涙が止まりません。

北島三郎の『なみだ船』はCDで聴くより深みを増し、

歌謡浪曲『瞼の母』は最後の悲痛な「おっかさーん!」という絶叫が胸を刺します。

終わると全員魂抜かれたみたいにぐったり。

あとで交換しようと友人夫婦には『I Will Always Love You』と『さくら』が入ってるCDをオススメ。

USBメモリに入れて、車の中で聴きまくっていたある日、とんでもない情報が入ってきました。

TBSの「情熱大陸」に島津亜矢が出演し、ソウルの女王の曲に挑戦するというじゃありませんか。

ソウルの女王といえばアレサ・フランクリン、アレサといえばアレか!? 名曲『Think』なのか!?

いや、勝手にコーフンしてすみません。

Think』は、映画『ブルース・ブラザース』でアレサ本人がダメ亭主に迫りながら歌って踊る名場面の曲。

「フリーダーム♪」というリフレインが圧倒的な迫力で、アレを歌いこなせる日本人がいるのか、

いや島津亜矢ならやれるかも…

ワクワクしながら番組が始まると、予想的中。

聞けば少し前に公開されたアレサの伝記映画『リスペクト』を観て、俄然歌いたくなったんだとか。

私も観ました。

主演は『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソンで、さすがの演技と歌でしたが、映画のラストにアレサ本人登場。

やっぱり誰も敵わないなという存在感。アレ観て歌おうと思うなんざ、そりゃあもういい度胸です。

その彼女の希望を聞きつけた音楽プロデューサーが、

日本を代表するファンクバンドを引き連れ、プロジェクトを立ち上げたんだそうな。

英語も譜面も読めないという彼女は、

甥御さんがカタカナに起こしてくれた歌詞を、原曲を聴きながら歌い込んでいきます。

私もちょこっとコピーバンドに加わっていたのでわかりますが、

英語の歌詞をまともに一語ずつ音符に乗せるのは日本人には到底無理。

「そう聞こえる」ようにカタカナで覚えてしまったほうがよほどそれらしくなります。

ある種の「空耳アワー」ですね(笑)。

ホイットニーの曲もそうやって覚えたのかと微笑ましくなりますが、歌唱は完璧、発音も自然に聞こえます。

しかし『Think』はこれまでのスローなバラードと違って、テンポも速く、リズムも激しい。

さすがの彼女も苦労したようです。

スタジオで何度もダメ出しされ、直しを入れ、ついに最終レコーディングの日。

「フリーダーム♪」の最後のリフレインを歌い切ると、

ミキシングルームのプロデューサーやスタッフが飛び上がっての大拍手。

「アレサ降臨!」という声が飛び交い、本人も満面の笑顔。

もちろんTVを観ている私もブッ飛びました。まさしくアレサ降臨です。

しかもなんと、この曲で、AYA SHIMAZUとして世界配信リリースするというじゃありませんか。

さらにさらに夏にはこの曲を含むカバーアルバムも発売するとか。もう楽しみで楽しみでなりません。

どんな選曲になるのか、できたらアレサがキャロル・キングの曲をカバーした『Natural Woman』も入れてほしいなあ。

「情熱大陸」からしばらくして、島津亜矢仲間の友人から、今NHKの「うたコン」に出てるぞ!とLINEが。

残念ながら間に合いませんでしたが、そのためだけにNHKプラスに加入して、スマホの小さな画面で観ました。

さすがに振袖ではなく、白いドレスで歌う『Think』はスマホ視聴でも大迫力。

「うたコン」は生放送番組ですから、すでに完全に自分のものになってるってことですね。

アルバム発売後、次の全国ツアーが始まったら、また絶対行こうね、

ナマでThink』聴こうね、と4人で誓いあっています。

もし、何かの折に島津亜矢、ないしAYA SHIMAZUの名前を見かけたらぜひ聴いてみてください。

その曲が洋楽でもJポップでも演歌でも、とんでもない上質な歌を聴けるはずです。

百聞は一聴に如かず、であります。

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