スタッフN村による着物コラム
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1月11日、大相撲観戦に出かけました。テレビ桟敷での相撲観戦は小学生の頃からなのでかれこれ半世紀以上。
一番古い記憶は大鵬、柏戸、最初の推しは初代貴ノ花(若貴のお父さん)ですから、思えば遠くへ来たもんだ(笑)。
子供の頃、親戚の招待で、父と弟がまだ蔵前にあった国技館へ行ったときは置いてけぼりで、なんとも羨ましかったものです。
念願かなっての大相撲初観戦。国技館は実に楽しいお相撲テーマパークでした。
両国駅構内には千代の富士や武蔵丸や白鵬の優勝額が飾られ、
ミニ土俵があったり、相撲グッズや和風小物のショップがあったり、
街にはちゃんこ料理屋が軒を連ねていたり、国技館に入らなくても相撲好きにはたまらない場所。
ぜひ一度訪れてみてください。
109.大相撲初場所観戦
高校時代の友人と3人で、LINEの相撲トークルームをやっているのですが、
毎場所実況チャットルームと化して、熱い応援が繰り広げられています。
一人は横綱照ノ富士の熱狂的ファン、一人は息子さんが慶応の相撲部出身(慶応に相撲部があることにビックリですがw)。
入間市の少年相撲クラブに所属していた関係で、現役力士に友人が多く、相撲ママ友もたくさんいるそうな。
昨年11月の九州場所で優勝した阿炎関もお友達、ってなんとうらやましい。
で、テレビ桟敷にもはや飽き足らず、初場所見に行こうよという話がまとまり、相撲ママの友人にチケットを取ってもらいました。
チケ取りのコネクションはないので、チケットぴあの抽選です。
運良く四日目の向こう正面の枡席が当選し、いざ両国国技館へ。
同じく相撲好きの私の姉や、別LINE仲間の夫婦、相撲ママのダンナさん、
そしてたまたま帰国中だったフランス在住の友人と総勢8名。
相撲のテレビ中継はBSで午後一時から、地上波ではだいたい三時頃からで、普通の人は幕内の取り組みくらいしか見ませんよね。
実は相撲の取り組みは朝の八時半からやっていて、まだ細っこい若者たちがさらに上を目指して戦っているのです。
相撲の番付は、序の口、序二段、三段目、幕下、十両、幕内という階級があり、関取と呼ばれてお給金がもらえるのは十両以上のみ。
なんと厳しい、でもだからこそ頑張る若者たちの姿は胸アツです。
相撲ママ夫妻は幕下以下にも知り合いが多いので、午前中から乗り込むそうな。
私と姉は、贔屓の炎鵬や朝乃山がいる十両土俵入りあたりから見ればいいと、両国でお昼を食べてゆっくり国技館入り。
それぞれ好きな時間に入場できるのがありがたい。
国技館の前に人だかりがしているので何かと思ったら、ちょうど十両力士が到着したところ。
十両はタクシーで乗り付けるんだな。
おお、あれは大量の塩撒きで人気の照強関、お、続いて人気の美男子炎鵬関もやってきた。
人垣から「ちっちぇえー!」と声が上がって思わず苦笑。照強も炎鵬も、身長的には一般人の平均より低い、いわゆる小兵力士。
でも鍛え上げた筋肉と運動神経で、倍近い体格の相手をしばしば土俵に這わせるところがたまらない魅力です。
いよいよ国技館の中へ。切符のもぎりも元力士の親方衆ですが、髷を落として揃いのジャンパーにマスクでは、誰だかわからないのが残念。
正面玄関を入ると、優勝杯や優勝楯、優勝旗などが展示されていて、先場所優勝の阿炎政虎の名前が刻印されているのをバッチリ確認。
枡席にはすでに二夫婦が来ており、のんびりお弁当を広げています。土俵上は幕下上位の対戦中で、まだ客席はガラガラ。
でも思ったより土俵が近く、なかなかの迫力です。
力士がぶつかるバチンという音、呼び出しの声、行司の掛け声や勝ち名乗り、すべて生音。
今のうちに国技館ショッピングをしようと、ぐるり客席を取り巻く外廊下のショップを見て回ります。
お相撲グッズ売り場では若手の親方衆がレジ係。
まずは応援用の力士の名入りタオル(声出しは原則禁止なので、このタオルを広げて応援です)。
さんざん悩んで、今私のイチオシ力士、関脇の若隆景にしました。
兄の新小結・若元春のも欲しかったけど、二人の写真入りキットカットで我慢。
相撲協会公認キャラクターのひよの山ピンバッジや、関取の写真入り吹き出し付箋や、忘れちゃいけないパンフレットも購入。
paypay使えます。
それから、スイーツ親方として名高い(?)芝田山親方(元横綱大乃国)のパン屋さんで、
横綱食パンとあずきロール購入。親方自らお店番です。
相撲茶屋を通してチケットを買うと、お弁当やお土産が山ほど付いてくるんですが、
非常にお金もかかるので、チケぴ組の私は国技館名物の焼き鳥だけ購入。
この焼き鳥、実は国技館の地下で焼いてるんです。
土俵の真下に工場があると、何かのテレビ番組で見ました。冷めても美味しい焼き鳥です。
ようやく気が済んだので席に戻ると、あとの2人も到着。4人用の枡席2つですが、8人目一杯入るとさすがに窮屈。
江戸時代の芝居小屋を今に伝える香川の金丸座で歌舞伎を見たことがありますが、あそこの枡席とどっこいの狭さ。
おいおい、江戸時代の客席と変わらないのかい。
仕方なくみんな体育座り。着物で正座してる人もいますが、とても真似できません。
パンフレットの表紙は先場所優勝の阿炎関の写真。
白鵬ばっかり優勝してた頃はずっと白鵬の表紙だったのかな。
この一年、優勝力士がコロコロ変わるので、これはこれで貴重です。さあ、十両の取り組みの始まりです。
客席もどんどん埋まってきていますが、驚いたのは場内の照明がぱあっと明るくなったこと。
そうかそうか、幕下以下と関取ではそんなことも違うんだな。
大関陥落して三段目まで下がり、ようやく十両に戻ってきた朝乃山は貫禄勝ち。
怪我してるわけじゃないし、当然ちゃ当然ですね。早く幕内に戻らないと。
照強の塩撒きで場内は湧きますが、先場所全敗の不調が続いているようで今日も負け。炎鵬も残念!
十両の取り組みが終わると幕内力士の土俵入りです。色とりどりの化粧廻しが目にも鮮やか。
正面解説は北の富士さん、そして向こう正面(我々の側)の解説は元関脇・寺尾の錣山親方というので、
放送ブースまで見に行っちゃいました。
寺尾関はかれこれ半世紀以上の私の相撲ファン歴でダントツ一位の推し力士。
顔よし技よし姿よし、ちょっとこれほどの人は現役力士には見当たらない。
さあいよいよ幕内の取り組み…なんですが、実は一番一番大迫力の大興奮で、
誰が誰に勝ったのか負けたのか、ほとんど記憶がないんです。
幕内ともなると立ち合いのぶつかり合いの音も半端ないし、
2,3番ごとに変わる行司の装束も美しいし、懸賞幕のアナウンスも興味深いし…。
唯一覚えているのは、若元春と明生の対戦で物言いがつき、取り直しとなって若元春が勝ったことくらいかな。
イチオシの若隆景すら勝ったか負けたか記憶にない。
もちろん放送を録画しておいたので、翌日じっくり見直しました(どんだけ好きかねw)。
結びの一番は横綱照ノ富士が休場のため、一人大関となった貴景勝と、大関を陥落して平幕に下がった御嶽海。
横綱休場、大関も次々陥落(不祥事や不甲斐ない成績で)する中、
一人大関の権威を守り続ける貴景勝、二日目に一敗してますが、この日は快勝。
取組後の弓取り式までしっかり見て、大満足の国技館デビュー。
観戦後は予約しておいたちゃんこ料理屋で打ち上げ。
フランスから帰国中の友人も、今の角界事情はよくわからないなりに楽しんでくれた様子。
照ノ富士ファンの友人とは、五月場所にはテリー(我々はそう呼ぶw)も復帰するだろうから、
今度こそ横綱土俵入りを見ようとリベンジを誓いました。
その後優勝候補が浮かんでは消えてゆく中、終わってみれば大関貴景勝が久々の優勝。
来場所優勝すれば横綱昇進のチャンスです。
十両は朝乃山が優勝で、幕内昇進は目前、大関候補と言われながら足踏みが続く三役陣もうかうかしちゃいられない。
楽しみ楽しみ。
ともあれ、我々のようなスー女じゃなくても、国技館はとても楽しいワンダーランド。
着物デーというのもあって、着物ないし浴衣を着ていくと、いろんな特典のつく日があるようです。
(着物で行くなら私は椅子席じゃないと無理だなw)
相撲も大切な日本文化ということで、今回は大相撲観戦をレポさせていただきました。お粗末でございました。
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