スタッフN村による着物コラム
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先月の写真は山百合でしたが、今月は鉄砲百合。
庭の植え込みの間にすくすく育ってたくさんの花をつけました。
なぜローアングルかというと、私の身長よりはるか高く、
2メートル近い位置に咲いているのです。
我が家のあたりではどこの家にも植わっていて、
道ばたや空き地に大群落があったりします。
どこか猛々しい山百合よりも香りが控えめで色も純白。
こっちのほうが楚々としていて好きです。
名前はなんか勇ましいですが。
そうか、八重の百合、ってどうでしょうかね。
26.あまちゃんと昇太独演会
いやあ、困った。あまちゃん愛が止まらねえでがす。
4月の放送開始と同時にハマり、朝は7時半のBS放送が待ちきれず、朝食を食べながら見て、
速攻洗い物を済ませまた8時から見て、聞き逃したセリフや小ネタをチェック。
夜は2ちゃんのドラマ板でさらに情報をゲット。これがもう5ヶ月も続いてます。
ゲゲゲの女房の時は向井理演じるしげぇさんが好きで(向井理本人はまあどうでも)、カーネーションの時はオノマチと綾野剛が好きで、
純と愛はもうこのでたらめな脚本がどこへ着地するのか見届けようという意地だけで見てたんですが、今回は特別なんだな。
特に好きな役者がいる訳ではなく、もう世界そのもの、登場人物すべてがいとおしい。
朝から大人計画の魑魅魍魎や古田新太が跳梁するドラマがNHKで見られるなんて、時代は変わったよなあ。
もうじきドラマ内であの大震災が起こると思うと、今から胸が痛いです。
甲子園ではたぶん最初にあまちゃんのテーマを演奏した延岡学園が決勝まで快進撃。あまちゃんのテーマ聞きたさに応援してました。
惜しくも敗れはしたものの、決勝戦9回裏の攻撃なんかすごかった。もう他の曲なし。あまちゃん一本槍。
ちなみに延岡学園は「ずんだずんだ」もレパートリーでしたね。まあ、わがるやづだげわがればいい。
あ、えーと、着物コラムでしたよね。着物着物…、そうそう、夏ばっぱが憧れの橋幸夫に会いに行った時の着物が傑作でした。
なんとウニ柄。帯はサザエ。もう大ウケ。ちなみにあれ、たまたまスタッフがウニ柄の着物を持ってたんだとか。
地紋のある重そうな変わり縮緬に、帯は軽そうな八寸だったからちょっとちぐはぐなんだけど、そこはそれ、
初めて東京に出て来た田舎のばあちゃんって感じで、また帯揚げが古臭い臙脂色の絞りかなんかをぐさぐさに締め、着付けもなんかぐさぐさ。
これも宮本信子か衣装スタッフのセンスでしょう、いーい具合の田舎臭さを演出してましたね。ま、これもわがるやづだげわがればいい。
伝統芸能の方は、7月28日、小金井市民交流センターの春風亭昇太の独演会に出かけました。昇太が伝統芸能かどうかはちょっと疑問ですがw。
雨の予報もあったので着物は断念。開演ギリギリに駅に着いたのですが、会場が駅前なのでなんとかセーフ。
昇太本人がアロハシャツにジーンズの軽装で前説やってました。「じゃちょっと着替えて来ます」と言って、まずは弟弟子の柳好にバトンタッチ。
柳昇一門ですから、明るく軽く『悋気の独楽』。そして例によって「デイビー・クロケット」の出囃子で昇太登場。
前日の中止になった隅田川花火大会の中継映像の話で笑いを取り、噺にはいると、おお、『ちりとてちん』だ。
人寄せであつらえた料理が余ったので、タケさんにふるまうご隠居。タケさんは何でも喜んで食べてくれる。
しかしトラさんは通ぶってなんにでも文句を付けないと気が済まない。
これは日頃の意趣返しのチャンスと、戸棚の中で半月眠っていた豆腐を取り出す。
色とりどりのカビに覆われた豆腐にこれでもかと七味をふりかけ、ぐちゃぐちゃに混ぜてビンにつめる。
呼ばれてやってきたトラさんは、食事したばっかりだとか、鯛の刺身なんぞ病人の食いもんだとか文句を言いながら料理をつまむ。
そこでご隠居、くだんの豆腐を、土産にもらった台湾名物“ちりとてちん”だと言ってトラさんに振る舞う。
日頃知ったかぶりの手前、知らないとも食えないとも言えず、トラさんは苦悶にあえぎながらなんとかこれを飲み下す。
とにかく昇太のちりとては、まずタケさんの感激ぶりで大笑い。「え!わたくし、日本に灘の生一本というものがあることは聞いておりますが、
ええ、やるのは初めてでございます! (んぐんぐ→身をよじりながら)おいっしいい!!」
以下、鯛の刺身、うなぎの蒲焼きその他同様。いい加減しつこいくらいの反復ギャグ。でもカワイイ。
そしてトラさんの憎たらしいことこの上なく、ちりとてちんをおもむろに取り出すご隠居のニヤニヤ笑いに思わず共感。
そしてなんのかんのと講釈を垂れながら、ついにちりとてちん一気食い。
その悶絶ぶりたるや寝転び、のたうち、胸かきむしり、このアクションは昇太ならではです。
サゲを言って高座を下りるのかと思ったら、そのままトークが始まり、
「今日は二席やるか三席やるか決めてなかったんですが、ノって来たので続けてもう一席やります」とかなんとか言って、
おやおや高座の上で着物を着替え始めましたよ。そういうことをする人だと聞いていましたが、目の前で見たのは初めて。
今度は新作落語。怪談が苦手でいつも友人に怖い思いをさせられてばかりいる学生が、本人基準で決定版のネタを仕入れ、
友人を怖がらせてやろうと部屋を訪ねるが…というちょっとホラーっぽい噺。演目『マサコ』。
演出と緩急だけで成り立つ噺なので、一度でも聞いたことがあるとインパクトは弱い。
でもいっか、夏だし。そういや昇太の新作は久々に聞いたような気が。最近古典にばっかり当たってるもんで。
休憩はさんで三席目。「ああ熊さん(八つぁんだったかな?)、まあおあがり、ところでお前、嫁をもらう気はないかい」とくれば
『たらちね』か?「お前の長屋にいるお滝さんだよ」おっと、『不動坊』だ。
でも『不動坊』の主人公は普通吉さんだよな。まあいいか、昇太だし。
『不動坊』のあらすじは16回のコラムで書いたので省略。16回のときは談春でした。
不思議なもので、年に何回かしか落語会に行けないのに、なぜか演目がバッティングするんですよね。
演者による違いを比較できるんで、それはそれで興味深くはあるんですが。
んで、『不動坊』に関しては、残念ながら談春に軍配。まあ、いまや古典の第一人者と較べたら昇太かわいそうなんですが。
いや、『ちりとてちん』とか『そば清』なんかだと、昇太の方が絶対面白いと思うんですよ。
『不動坊』は、憧れのお滝さんを嫁にもらうことになった吉さんだか熊さんだかが、湯屋で妄想たくましくして、
長屋の他の連中をこきおろす独り言が眼目。ここが雑だとあとの連中の仕返しが面白くない。
談春だとここが微に入り細をうがち、完璧なのね。昇太は滑舌があやしく人物の描き分けが雑なので、こういう噺は向かないなあ。
でも久々の落語会に満足して、バスで10分ほどの先輩の家に遊びに行こうと駅前に出たら、毎朝聞き慣れたあのメロディが!
そう、んちゃっちゃっちゃっちゃちゃっちゃチャラチャラーン♪、言わずと知れたあまちゃんのテーマ。
なんと駅前で東北物産会が開かれて、まめぶの屋台が出てるじゃありませんか。
一杯300円のまめぶ汁が飛ぶように売れてます。私もついレトルトのまめぶ汁(500円)を2つ購入。
同じくあまちゃんにハマっている姉に一つ進呈しました。ちなみに姉は先日友達とカラオケで『潮騒のメモリー』を大合唱したそうです。
私はなんだかもったいなくてまだ食べてないのですが、姉によると「汁は普通のけんちん汁で、団子は別に食べた方がおいしいと思う」とのこと。
それって喫茶アイドルの甲斐さんと同じ感想じゃん、ってわがるやづだげわがればいい。今回そればっかですまねえなし(あ、これはドラマが違う)。
これじゃ着物コラムにならないんで、その後友人におすす…じゃなくてお寿司をごちそうになった時の写真です。
去年も着てた夏川唐ですが、帯は母の遺品の八寸を仕立て直した半幅です。扇子は先だっての晏東京展で購入、帯留は箸置き転用。
わかりにくいと思いますが全部雲の柄なんですね。縞や格子や無地のアイテムが多いので、季節感を出すのに苦労します。では、また来月。
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